入り口は二つ、好きなほうから
講座:全九課
駒とその動き
盤と初形
将棋は九×九、八十一マスの盤で指します。マスの色分けはありません。筋は右から左へ 1 から 9、段は上から下へ a から i と数えるので、右下の隅が 1i、左上が 9a です。先に指すほうが先手、後に指すほうが後手です。
どちらも自陣の三段に二十枚を並べます。三段目に歩が九枚、二段目に飛車と角、最下段に玉を挟んで金二枚・銀二枚・桂二枚・香二枚。駒は五角形の平たい木片で、すべて相手のほうを向いています。色分けがない将棋では、その向きがどちらの駒かを示します。
成り
相手側の三段が敵陣です。敵陣に入る手、敵陣の中で動く手、敵陣から出る手のいずれでも、指し終わりに駒を裏返して成ることができます。成りは任意ですが、その駒が二度と動けなくなる場合だけは強制です。最下段の歩と香、最下段から二段以内の桂がそれにあたります。
飛車と角は元の動きを保ったまま新しい動きが加わります(竜王 龍、竜馬 馬)。銀・桂・香・歩はすべて金と同じ動きになり、成った歩は「と金」と呼ばれ、実戦で最も働く攻め駒の一つです。玉と金は成りません。成った駒を取ったときは、持ち駒には成っていない状態で入ります。
持ち駒:将棋を将棋にしている規則
駒を取っても、その駒は盤から消えません。自分の駒台に載ります。以降の手番では、盤の駒を動かす代わりに、持ち駒を空いているマスに打つことができます。打った駒は成っていない自分の駒になり、四つの制限を除けばほぼどこにでも打てます。
駒が盤から消えないので、将棋にはチェスのような「終盤で駒が減る」局面がありません。盤上の戦力は減らず、攻めは取った駒で自分を養い、負け筋に見えた将棋が敵玉の隣への一打で引っくり返ります。
- 打てるのは空きマスだけで、打つこと自体が一手です。打つ手で駒は取れませんが、王手はかけられます。
- 打った駒は必ず成っていない状態です。取ったときに成っていた駒でも同じです。
- 二度と動けなくなる場所には打てません。最下段の歩と香、最下段から二段以内の桂は打てません。
- 二歩:自分の成っていない歩がすでにある筋には、歩を打てません。と金は数えません。
王手・詰み・終局の形
玉が攻められている状態が王手で、王手には必ず応じなければなりません。合法手が一つもなければ詰みで、そこで終局です。将棋にキャスリングはありません。玉の安全は、何手もかけて金銀で囲いを組むことで作ります。
実際には投了で終わる将棋がほとんどです。どの棋力でも、詰みまで指させるのは礼を欠くとされます。ほかに技術的な規則がいくつかあります。打ち歩詰めは、打った歩で詰ますことを禁じます。千日手は同じ局面が四回現れると引き分けですが、連続王手の千日手なら王手をかけていた側の負けです。持将棋は両者の玉が敵陣に入って詰まなくなった稀な状態で、駒の点数を数えて決めます。
棋譜の読み方
一手は、元のマス・行き先のマス・駒で書きます。7g7f は 7g の歩が 7f へ進む手です。取る手は x、打つ手はアスタリスク(P*4e は 4e に歩を打つ手)、成りは末尾の +、不成は = で表します。この書き方の棋譜は、このサイトの盤を含め、どの盤でも並べ直せます。
次に学ぶこと
ルールを知ることと指せることは別です。次の一歩はたいてい、囲いを一つと戦法を一つ決めることです。美濃囲いを組み、その後ろで振り飛車の戦法を一つ覚え、十数局は何も変えずに指してみてください。そのあとで駒のページを読むと、中盤でそれぞれの駒が何のためにあるのかが見えてきます。
将棋のルール:よくある疑問
将棋はチェスより難しいですか?
ルール自体は十分ほどで覚えられ、チェスより難しいということはありません。持ち駒を除けば駒の動きはむしろ単純です。将棋が難しいのは、取った駒が戻ってくるからです。局面が単純にならず、最後の一手まで読みが要ります。
将棋にはなぜクイーンがないのですか?
将棋にクイーンはありません。遠くまで利く駒は飛車と角で、その二枚も成って竜王・竜馬になって初めてその強さになります。序盤が遅いのは意図的で、双方が囲いを組む時間になっています。
将棋は引き分けになりますか?
ほとんどなりません。駒が盤から消えないので、勝敗がつかずに終わるのは百局に一局ほどです。千日手か、持将棋のどちらかです。
将棋で駒が成るとはどういう意味ですか?
成るとは、敵陣の三段に入る、その中で動く、そこから出るときに駒を裏返すことです。飛車と角はより強い駒になり、銀・桂・香・歩は金と同じ動きになります。