将棋のルール:指し方を一から

一局目を指すために必要なものすべて。盤、二十枚の駒とその動き、成り、将棋を他のどのチェス類とも違うものにしている持ち駒、そして勝敗を決めるいくつかの特別な規則。前提知識は要りません。

入り口は二つ、好きなほうから

チェスも指したことがない 9
全課程。盤、座標、八種類の駒、成り、持ち駒、詰み、棋譜。何も前提にせず、一課につき一つの考え方を。
チェスなら指せる 7
違いだけ。ルークとビショップがそのまま使えること、チェスに名前のない三つの駒、そして終盤を丸ごと引っくり返す持ち駒。

講座:全九課

1. 盤と座標
九×九、色分けのないマス。それぞれのマスの呼び方と、敵陣の位置。
2. 八種類の駒とその動き
玉・飛・角・金・銀・桂・香・歩と、成ったときに変わること。
3. 動かす、取る、手番
一手とは何か、取るとはどういうことか、そしてなぜほとんどの駒が戻れないのか。
4. 成り
敵陣の三段、駒の赤い面、そして断れない成り。
5. 持ち駒と打つ手
将棋を他のすべてから分ける規則と、それを縛る二歩。
6. 王手と詰み
どうやって勝つのか、そして一手詰をどう見るのか。
7. 特別なルール
打ち歩詰め、千日手、持将棋、そして動けなくなる駒。
8. 棋譜を読む、書く
USI と日本式の書き方。棋譜はどうやって一局まるごとを残すのか。
9. 最初の一局
囲い、攻め、そして最初の決断。自由に試せる盤つき。

駒とその動き

玉 玉将 ぎょくしょう / 王将 おうしょう
八方向に一マス。チェスのキングと同じです。成ることはなく、取られれば負けです。
飛車 飛車 ひしゃ
縦横に、空いているだけ何マスでも。盤上で最も強い駒で、成ると竜王になり、斜め一マスの動きが加わります。
角 角行 かくぎょう
斜めに、空いているだけ何マスでも。成ると竜馬になり、縦横一マスの動きが加わります。
金 金将 きんしょう
後ろの斜め二方向を除く六方向に一マス。成ることはなく、小駒が成ったときの姿でもあります。
銀 銀将 ぎんしょう
前に一マス、または斜め四方向に一マス。横と真後ろには動けません。だから攻めの駒になります。
桂 桂馬 けいま
前に二マス、横に一マス跳ぶ。前にしか進めず、戻れません。他の駒を飛び越せる唯一の駒です。
香 香車 きょうしゃ
真っすぐ前に、空いているだけ何マスでも。横にも後ろにも動けません。
歩 歩兵 ふひょう
真っすぐ前に一マス。取るのも真っすぐ前です。斜めに取ることも、最初に二マス進むこともありません。

盤と初形

将棋は九×九、八十一マスの盤で指します。マスの色分けはありません。筋は右から左へ 1 から 9、段は上から下へ a から i と数えるので、右下の隅が 1i、左上が 9a です。先に指すほうが先手、後に指すほうが後手です。

どちらも自陣の三段に二十枚を並べます。三段目に歩が九枚、二段目に飛車と角、最下段に玉を挟んで金二枚・銀二枚・桂二枚・香二枚。駒は五角形の平たい木片で、すべて相手のほうを向いています。色分けがない将棋では、その向きがどちらの駒かを示します。

成り

相手側の三段が敵陣です。敵陣に入る手、敵陣の中で動く手、敵陣から出る手のいずれでも、指し終わりに駒を裏返して成ることができます。成りは任意ですが、その駒が二度と動けなくなる場合だけは強制です。最下段の歩と香、最下段から二段以内の桂がそれにあたります。

飛車と角は元の動きを保ったまま新しい動きが加わります(竜王 龍、竜馬 馬)。銀・桂・香・歩はすべて金と同じ動きになり、成った歩は「と金」と呼ばれ、実戦で最も働く攻め駒の一つです。玉と金は成りません。成った駒を取ったときは、持ち駒には成っていない状態で入ります。

持ち駒:将棋を将棋にしている規則

駒を取っても、その駒は盤から消えません。自分の駒台に載ります。以降の手番では、盤の駒を動かす代わりに、持ち駒を空いているマスに打つことができます。打った駒は成っていない自分の駒になり、四つの制限を除けばほぼどこにでも打てます。

駒が盤から消えないので、将棋にはチェスのような「終盤で駒が減る」局面がありません。盤上の戦力は減らず、攻めは取った駒で自分を養い、負け筋に見えた将棋が敵玉の隣への一打で引っくり返ります。

王手・詰み・終局の形

玉が攻められている状態が王手で、王手には必ず応じなければなりません。合法手が一つもなければ詰みで、そこで終局です。将棋にキャスリングはありません。玉の安全は、何手もかけて金銀で囲いを組むことで作ります。

実際には投了で終わる将棋がほとんどです。どの棋力でも、詰みまで指させるのは礼を欠くとされます。ほかに技術的な規則がいくつかあります。打ち歩詰めは、打った歩で詰ますことを禁じます。千日手は同じ局面が四回現れると引き分けですが、連続王手の千日手なら王手をかけていた側の負けです。持将棋は両者の玉が敵陣に入って詰まなくなった稀な状態で、駒の点数を数えて決めます。

棋譜の読み方

一手は、元のマス・行き先のマス・駒で書きます。7g7f は 7g の歩が 7f へ進む手です。取る手は x、打つ手はアスタリスク(P*4e は 4e に歩を打つ手)、成りは末尾の +、不成は = で表します。この書き方の棋譜は、このサイトの盤を含め、どの盤でも並べ直せます。

次に学ぶこと

ルールを知ることと指せることは別です。次の一歩はたいてい、囲いを一つと戦法を一つ決めることです。美濃囲いを組み、その後ろで振り飛車の戦法を一つ覚え、十数局は何も変えずに指してみてください。そのあとで駒のページを読むと、中盤でそれぞれの駒が何のためにあるのかが見えてきます。

将棋のルール:よくある疑問

将棋はチェスより難しいですか?

ルール自体は十分ほどで覚えられ、チェスより難しいということはありません。持ち駒を除けば駒の動きはむしろ単純です。将棋が難しいのは、取った駒が戻ってくるからです。局面が単純にならず、最後の一手まで読みが要ります。

将棋にはなぜクイーンがないのですか?

将棋にクイーンはありません。遠くまで利く駒は飛車と角で、その二枚も成って竜王・竜馬になって初めてその強さになります。序盤が遅いのは意図的で、双方が囲いを組む時間になっています。

将棋は引き分けになりますか?

ほとんどなりません。駒が盤から消えないので、勝敗がつかずに終わるのは百局に一局ほどです。千日手か、持将棋のどちらかです。

将棋で駒が成るとはどういう意味ですか?

成るとは、敵陣の三段に入る、その中で動く、そこから出るときに駒を裏返すことです。飛車と角はより強い駒になり、銀・桂・香・歩は金と同じ動きになります。