チェス経験者向け · 第 5 課 / 全 7 課

持ち駒:これを別のゲームにしている規則

一課だけ読むなら、この課です。他の違いはすべて細部で、この一つが、チェス経験者の言う「駒得」「単純化」「終盤」の意味を変えてしまいます。


盤で試す

取ることは仲間にすること

取った駒は対局から消えません。駒台に載り、あなたの駒になります。以降の手番では、盤の駒を動かす代わりに、駒台から一枚取って空きマスに、自分の向きで置けます。

将棋の駒に色がなく向きだけがあるのは、このためです。駒は対局の途中で持ち主が変わらなければならず、急に黒の駒になった白のビショップは塗り直しが必要になります。代わりに、駒を回すのです。

打つ手とは何で、何でないか

打つのは一手まるごとです。打つか動かすか、両方はできません。空きマスにしか置けないので、打つ手で駒は取れません。ただし王手は非常によくかかります。取ったときに成っていた駒でも、打つときは必ず成っていません。取り上げた竜王は、ただの飛車として戻ってきます。

打ったその場で成ることもできません。そのあと普通に一手動かし、その手が敵陣に触れれば、他の駒と同じように成れます。

終盤の直感がここで狂う理由

盤上の総戦力は減りません。単純化もなく、勝ちの終盤へ向けた交換もなく、異色ビショップの要塞もなく、「一枚得だから全部交換しよう」もありません。あなたが行うすべての交換が、あなたの玉の隣に打つための駒を相手に渡します。

実際上の帰結は二つ。攻めは息切れせずに加速します。取るたびに次の一手のための駒が増えるからです。そして負けに見える局面が、一打で引っくり返ります。将棋は詰みで終わり、しかもチェスより遅くではなく、早く終わります。